photo: Fukuoka City, Japan
いま大きな成長と変貌を遂げているアジアの中で,注目すべき二つの国がある。
若い労働人口と一億人に迫る消費人口を背景に急速な経済成長を続けるベトナム。世界屈指の劇的な経済成長を遂げながら,五年前に急減速し,現在は緩やかな成長を維持しつつ,国の新たな政策によって,自国産業の着実な育成を基盤に経済発展の新局面を目指そうとしているモンゴル。日本への期待も大きい。二つとも日本にとって熱くなる国だ。
現地の首都や経済活動が活発な都市であれば,街中どこへ行っても日本人に出会う。観光客だけではない。日本人のビジネスマンが通訳やガイドを伴ってオフィスビルに出入りし,飲食店では現地の料理や日本料理を囲んで商談をする姿も日常的だ。新たなビジネスチャンスを求めて日本の企業が次々と現地入りし,成長を続ける市場への進出を探っている。現地の企業や個人事業者もまた,日本の製品やサービスを取り込む一方で,自社の事業を日本の企業に売り込み,相互の強みを組み合わせてシナジーを生み出すことが,自らの業績の向上や事業の拡大につながると期待している。
日本には優れた製品やサービスがある。しかし,すべての人が同じものを求めるわけではない。日本の成熟市場では,限られた購入者しかいないものでも,国が違えば,それを求める人々が何万,何十万,何千万といる可能性があ
る。その可能性が日本から何百キロ,何千キロ,一万キロ離れた国に,新たな需要として眠っているとすれば,日本のみに留まろうという理由は最早ない。市場を国境でとらえず,地球上に散らばる需要の塊でとらえようとする日本の企業が確実に増えつつある。活路を見出すビッグチャンスと見ればもっと増えていいはずだ。
求める人に求めるものがあることを知らせ,届ける。簡単な話,それがマーケティングである。製品やサービスを創り出すとき,それを受け取った人々が喜ぶ姿を思い描く。飛躍的な空想でも、受け取る人々が住む場所を地球全体に拡げるとその想像が俄に現実味を帯びてくる。
求める人に求めるものを知らせ,届けるためには,未知の世界に続く新しい扉を開かなければならない。だが,その扉を開くところに難しさがある。同じ地球上でも長い歴史を経て定着した価値基準や商慣習が,場所によって全く異なるのは当たり前だ。間違った扉を開けると,そこから求める人には永久にたどり着かない。
求める人のところまで,確実にたどり着くには,正しい扉を一緒に開き,扉の入口から目的地まで先導する水先案内人の役割が要る。求める人に求めるものを届けることができる仕組みが機能するまで伴走する者が要る。「その役目を果たすのが私たちの仕事です。ベトナムとモンゴルに持つ私たちのディープなビジネスネットワークが,お役に立てるかも知れません」
Hot business trends 2017: "Vietnam" and "Mongolia"
データ出典 / 外務省HP・JETRO HP 写真 / WCP
ベトナム社会主義共和国
面積 33万km2(日本の0.88倍)
人口 9,270万人
首都 ハノイ(人口722万人)
民族 キン族(越人。86%)他53の少数民族
言語 ベトナム語
宗教 仏教80%。カトリック10%,他10%
政体 社会主義共和国
主要産業 農林水産業,鉱業,工業
名目GDP 2,019億USD
一人当たり名目GDP 2,215USD
経済成長率 6.21% (2016年)
Vietnam
主要貿易品目
輸出 縫製品、携帯電話・同部品、PC・電子機器・同部品、履物、機械設備・同部品等
輸入 機械設備・同部品、PC・電子機器・ 同部品、布地、鉄鋼、携帯電話・同部品等
主要貿易相手国(上位5か国)
輸出 米国、中国、日本、韓国、香港
輸入 中国、韓国、日本、台湾、タイ
通貨 ドン(Dong)
進出日系企業 1,637社 (2016年)
日本ベトナム経済連携協定(EPA)2009年
Mongolia
主要貿易品目
輸出 鉱物資源(石炭,銅精鉱,蛍石等),原油,牧畜産品(カシミア,皮革)
輸入 石油燃料,自動車,機械設備類,日用雑貨,医薬品
主要貿易相手国(上位5か国)
輸出 中国,英国,ロシア,ドイツ,スイス
輸入 中国,ロシア,日本,韓国,アメリカ
通貨 トグログ(MNT)
進出日系企業 385社 (2016年)
日本モンゴル経済連携協定(EPA)2016年
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